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仕事と介護の両立目指して。通所介護(デイサービス)とは?

自宅で高齢者の介護を行っている人にとって、通所介護(デイサービス)は訪問介護と並んでよく利用しているサービスではないでしょうか。朝の9時前から長いところでは夕方の18時頃まで利用できるため、仕事をしている介護者にとって、非常にありがたいサービスとなっています。現在使っている人もそうでない人も、今一度デイサービスの基本とそのメリットについて知っておきましょう。

そもそも通所介護(デイサービス)とは?

よく「デイ」や「デイサービス」といわれるサービスは、正式名称を通所介護といいます。通所介護は、在宅介護を行う上で欠かせない存在です。訪問介護が利用者の自宅を訪問して行うのに対して、通所介護ではその名の通り事業所に行って介助を受けることになります。また訪問介護が一般的に20分から1時間半程度の比較的短い時間の介護サービス提供を主としているのに対して、通所介護では一般に3時間以上5時間未満、5時間以上7時間未満、7時間以上9時間未満の長時間にわたってサービス提供を行っています。デイサービスの利用は基本的に日帰りで、その点が短期入所生活介護と異なる点です。多くの高齢者は身体的な不調や精神的な不安を抱えており、そのために自宅にこもりがちです。そのような状況が続くと使っていない機能が低下するだけでなく、精神的にも落ち込み活力がなくなってしまい、本来持っている能力以上にできることが少なくなってしまいます。このような状態を廃用症候群と呼んでいますが、デイサービスはそうした閉じこもりがちな高齢者にサービスを提供することによって廃用症候群を予防するだけでなく、新たな生活の活力となるような他者との交流を促すことも目的のひとつとしています。

通所介護(デイサービス)ではどんなサービスを受けられるの?

デイサービスで受けられる具体的なサービスについてみていきましょう。まずは送迎です。デイサービスは自宅から所定の場所に通うことになりますから、送迎もサービスのうちに含まれています。自宅の前までデイサービスの車が来て、利用者をサービスの提供場所まで送ってくれます。もちろん帰りも同様です。デイサービスに到着すると、看護師や介護スタッフによるバイタル測定(体温、血圧、脈拍の測定等)が実施されます。利用者の健康管理もデイサービスの大切な役割です。バイタルサイン(体温、血圧、脈拍)が安定している人に対しては入浴介助が提供されます。お昼やおやつの時間にはそれぞれ食事やおやつが出ますし、希望に応じてお茶やコーヒーなどが提供されることもあります。ただし、コーヒーなどの嗜好品の提供に関しては、別途料金がかかることもありますので事前に確認しておくとよいでしょう。デイサービスでは他にも生活機能向上を目的としたレクリエーションやリハビリテーションが提供されます。特にレクリエーションは、どの事業所でも特に力を入れている部分です。食事や入浴、排泄などの基本的な身体介助では差をつけにくいですが、レクリエーションは工夫を凝らすことによって他事業所と差をつけやすいため、各事業所が競い合って、独自のサービスを展開しているのです。一例としては、夏祭りといった施設で利用者様と一緒に盆踊りや射的などを楽しむ大掛かりなイベントから、毎日行う体操への参加率によって表彰したりといった、日常的なレクリエーションへの工夫もあります。現在デイサービス事業所は全国に数多く存在しますから、どのようなレクリエーションを提供しているかによって、通う事業所を選ぶのもよいでしょう。

通所介護(デイサービス)のサービス利用にかかる費用

費用に関しては、要介護認定の程度によって、利用料金が変わることが特徴です。同じ時間同じ場所でサービスを受けたとしても、要介護2の人と要介護4の人とでは支払う料金が変わってきます。事業所の規模によっても料金は変わります。一般的には小規模できめ細やかなサービスを提供しているところほど高くなると覚えておけばよいでしょう。
また事業対象者、要支援の人と要介護の人でも料金形態が異なりますので、注意が必要です。

要介護の方のサービス利用料金ですが、ここでは通常規模でサービス提供時間が7~9時間(1ヶ月の平均利用延べ人数が300人以上750人以内)の事業所の場合を見ていきます。

利用料金は1回ごとに発生し、1割負担の方の要介護1で656円、要介護2で775円、要介護3で898円、要介護4で1,021円、そして要介護5で1,144円となります。

要介護認定された方の負担割合が2割の方ですとこの倍の負担となります。
この料金には送迎料金は含まれていますが、食費やおむつ代といった日常生活費は含まれていません。そのため、おむつやパットなどは持参することが多いでしょう。
これらの料金はあくまで基本的な料金であり、地域差や事業所がどのような加算をとっているかによって増減します。

なお、利用料金は非常に複雑になっていますので、詳細は各地域の地域包括支援センターか、居宅のケアマネさんなどに聞くとよいでしょう。

通所介護(デイサービス)の利用条件は?どんな人が利用しているの?

デイサービスは事業対象者と認定された方、および要介護認定によって要支援1~2もしくは要介護1〜5と認定された人であれば、利用することができます。ただし要支援の方の場合、利用回数が制限されていることもあるので気をつけましょう。また、介護保険制度改革によって、要支援の人に対するサービス提供は各事業所ではなく各自治体へと少しずつ移行されています。2017年時点では利用できているサービスが、今後は利用できなくなる可能性があるので注意が必要です。(事業所によっては事業対象者および要支援の方が利用できないデイサービスも出てきています。)

デイサービスには利用する本人が楽しみ、生活機能を向上させるといった目的の他にも、家族の介護負担を減らすという重要な役割もあります。とりわけ家族が就労中の場合、デイサービスの役割は非常に大きなものとなります。デイサービスは事業対象者および要支援から要介護の人まで幅広い人が利用していますが、普段は家族と同居しているものの、日中は家族が仕事に出かけて一人になってしまう方々です。また当然ですが、独居で暮らしている方も多く利用されています。一人暮らしの高齢者にとって、デイサービスは食事から入浴までなんでも完備している場所です。通所介護と訪問介護をいかにうまく組み合わせて、一人暮らしの高齢者の生活を維持していくかは、ケアマネージャーの腕の見せどころといえるのではないでしょうか。

通所介護(デイサービス)利用にあたっての注意点

デイサービスを利用するにあたってはいくつかの注意点があります。1つ目は先に紹介した通り、食費やおむつ代などが別料金であることです。おむつ代は短期入所生活介護(ショートステイ)や特別養護老人ホームなどでは施設負担ですが、デイサービスでは本人負担であるという点に違いがあります。どちらも利用しているときには間違えやすい点ですので気をつけておきましょう。次の注意点としては「デイ」と呼ばれる介護事業は、実は2種類存在するということです。デイサービスは通所系サービスの代表的な存在ですが、それ以外にも通所リハビリサービスが存在し、こちらはデイケアと呼ばれています。デイケアとデイサービスの一番大きな違いは、リハビリテーションに特化しているか否かでしょう。デイケアではその人ごとに機能訓練プランを設定して、リハビリテーションを行うことが基本になります。通所リハビリテーションは、医療系サービスになりますので、利用の際には主治医の意見書が必要となります。紛らわしいですが同じ「デイ」でもデイサービスとデイケアでは提供しているサービスも、その目的も異なるということを覚えておきましょう。また、デイサービスは事業所ごと、利用者ごとに利用料金が大きく異なる点が特徴です。事業所の規模や要介護度によって金額が変わる料金体系もさることながら、食事料金やクラブ活動の参加料金など、その他さまざまな付加サービスによって、追加の料金がかかっているケースもあります。これらのサービスは基本的に選択制ですが、きちんとサービス内容を理解していないと、思った以上に高額な料金を支払うことにもなりかねません。契約の際にはきちんと説明を受けて、本当に必要なサービスなのか見極めることも必要です。

通所介護(デイサービス)の利用に関するQ&A

Q.デイサービスを実施している事業所が多くてどこを選んだらいいかわかりません。選ぶポイントを教えてください。
A.どのデイサービスを使えばいいのかは、非常に悩ましい問題です。デイサービスを利用する主たる目的は、生活機能の向上と生活に楽しみを創出することです。家族の負担軽減はそれにプラスアルファされたものと考えておきましょう。デイサービスに行くのを嫌がる高齢者は少なくありません。本人が楽しく通えることを第一に考えて選ぶのが一番よいでしょう。見学をやっている事業所が多くありますので、一度見学してみてはいかがでしょうか。
Q.デイサービスでリハビリを専門的に行いたいと思っています。デイサービスではリハビリを提供しているのでしょうか。
A.デイサービスでは機能訓練を専門とする職員(理学療法士や作業療法士)の配置が義務付けられていません。そのため、デイケアに比べるとリハビリ機能に関しては劣るのが現状です。もちろん生活の場でさまざまなリハビリを行っていますが、デイケアに比べると専門性に劣ると考えておくとよいでしょう。なお、機能訓練に特化しているデイサービスもあると思いますので、地域包括支援センターおよびケアマネなどに聞いてみると良いかもしれません。
Q.デイサービスは時間延長などに対応してくれるのでしょうか?
A.これは事業所によって異なります。2016年現在の利用上限時間は介護保険利用で9時間未満、自費負担で3時間の利用が可能です。2015年の介護保険改訂によってそこからさらにプラス2時間の延長幅が認められましたが、事業所側の負担も大きく、すべての事業所が対応しているわけではありません。